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『みたりちゃん』誕生までのお話

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昨年3月に奇しくもチャリティ形式で発売に至った
『みたりちゃん』と『おばけみたりちゃん』。

以来ThrashOut店頭をはじめ、海外サイトや様々なイベント等で
『KaToPeデザインのみたりちゃん』と訊ねられる事が多く、
ボク達の説明不足と世間の憶測が相まって、
一方的な解釈と認識が広まってしまっていた結果…
一体『みたりちゃん』とはいったい何なのか???
今迄お話する機会に恵まれなかったので、『おばけみたりちゃん(彩色版)』、
『みたりちゃん(ブロンド)』の再販を機にお話させて頂きます。

コトの始めは…
一昨年『GARGAMEL』がシカゴで行った個展の際、
渡米していたGARGAMEL=池田圭郁が原因不明の胃痛で緊急搬送+精密検査入院の後、緊急帰国。
帰国後も激痛に絶えかね、検査に赴くも年末の病院は『ザッ』と診る程度。
たらいまわしの挙句に緊急入院。

結果、難病指定されている「好酸球性胃腸炎」と診断。

更に言えば既に消化器系で1つ不治の難病「クローン病」を患っているので、これで2つの難病を掛け持つ事になり…
また更にソフビ塗料に含有される有害物質も2つの難病の進行に拍車を掛け、
(人並み以上に)塗料を無意識に吸い込み続けてきた経年を考えると、
常人の体では考え難いダメージが蓄積していることになります。

結果的に病状もさほど回復せず、この年の年末年始は、
或る大学病院の一室で過ごすことになりました。

点滴と必要な水分のみの入院生活、
飲まず食わずの状態で1週間以上が経過。
顔はすっかりと窶れていましたが、憔悴した様子もさほど無く、
ベッドの上で鉛筆を手に取り製品のデザインや来年のプランなどをカリカリと描き、
更には製作途中の原型を病室に持ち込んで作業を進めていたのが、深く印象に残っています…。

退院後間も無く、突然言われたのが『アレ造ろう』。
その『アレ』が『みたりちゃん』でした。
世間の知る『GARGAMEL』のイメージから逸脱していたので、
コレは無いと思っていた『(一応)少女』キャラ。
しかも、原案は1999年…それから13年間@柳沢家にて封印。

宣言から1週間も経たないうちに原型の画像がメールで送られて来た時の驚きに加え、
『みたりちゃん』の隣には見慣れない別顔の『みたりちゃん』…
思いつきで『おばけみたりちゃん』も、一緒に造った…と。

そんな『みたりちゃん』と『おばけみたりちゃん』。
長年眠ったままだった私案を池田圭郁がリタッチを加え、
苦痛との闘病ストレスの反動で生まれた漲る制作意欲で造られた創造の賜物が『みたりちゃん』と『おばけみたりちゃん』として生まれた訳で…
本来の創造主は『池田圭郁』だったのがこのストーリーの始り…だったとさ。

…と、今になってテキストを起こしてみると、
いつ何が起きてもおかしくないカラダで、
今も尚、たっぷりと塗料まみれになり刻々と寿命を縮めながらソフビを塗っているなんて、
考えるだけで吐きそうです。

おしまい

語り手 柳沢光二=GOL
by adctyojpn | 2012-01-18 23:33